奄美映像フェスティバル 第2回奄美映像フェスティバル
2012年2月
トップページ  ›   › 農産物自由化の根っこに日米安保が

2010年07月09日

農産物自由化の根っこに日米安保が

選挙に行こう

3日前のニュースステーションで古館伊知郎と共産党の志位委員長の生対談が目に留まりました。

古「経済成長をめざすのに、日米FTA(自由化貿易協定)や日豪EPA(経済連携協定)の見直しというのは意外ですが」
志「農家を苦しめている国際協定を見直して自給率をあげ、中小企業を支援することで内需拡大をめざします」
そういう内容だったと思います。


管総理は、参議院選挙を前に、アメリカ政府に対して、普天間基地に関する協議を一時休止することを伝えたということが、琉球新報にのっていました。

日米安保は争点にするとやけどをするといって言明を避け、とうとう民主党は沖縄選挙区では公認候補を立てず、不戦敗を決め込んでいます。

軍事面ばかりが話題になる安保条約ですが、実は私たちの食生活に大きく影響していることを知ったときには唖然としました。
国民の命を守る農業が、国策として大切に扱われるのは当然のことではないでしょうか。
島国ニッポンの危機が、この離島からリアルに見えてきます。

安保破棄中央実行委員会から発行されている『普天間問題と安保50年』というブックレットで指摘している部分を引用します。


--------------------------------

条約の第2条には、経済条項が盛り込まれています。
「その国際経済政策のくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する」
この「国際経済政策のくい違いを除く」とはどのような意味でしょうか。
吉岡裕元農林省経済局長は、雑誌のコラムで「アンポと牛肉摩擦」と題して、つぎのように語っています。

「私の個人的体験としても、岸内閣のときのこの条約改定をめぐる『アンポハンターイ』は、ひとごとではなかった。それにもかかわらず、法学士のはしくれであった当時の私は、この条約の全部に目を通した記憶がない。私がこの条約をかなり丁寧に読んだのは、5、6年前のことである。

私はうかつにもそれまで、日米経済関係にとってこの条約がもつ致命的な重要性をはっきりと認識していなかったのである。牛肉摩擦によって代表される日米間の農産物摩擦の根っこがこの条約にあることに気がついた私は、そのとき愕然としたことを覚えている。(中略)

両国は、『その国際経済政策のくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する』ことを規定している。
さらに第4条は、この条約実施のための両国の随時協議義務を規定している。
これらを別の言葉で言えば、例えば牛肉の輸入をめぐる日米貿易摩擦は、市場自由化の方向で日米間で協議しなければならない、といっているのと同じことである。(中略)

このようにして、アメリカの政治家の心情のなかでは、日本の安全保障問題と経済摩擦問題は完全にリンクするに至ったのである」(『緑のサイクル』85年8月31日)

つまり、「食い違いを取り除く」というのは、「アメリカの言い分を呑むということだ」というのです。
1970年代からアメリカの圧力によって農産物の自由化が促進された結果、80%だった日本の食料自給率は、先進国のなかでも恥ずべき40%という低い水準に落ち込んでしまいました。

貿易の自由化につづいて、90年代には「規制緩和」が押しつけられ、大規模小売店舗法廃案の影響で全国の商店街にはシャッター通りが増え、中小企業の営業は壊滅的打撃を受けました。
このように安保条約は、日本の経済をアメリカに従わせる「根っこ」としてたちあらわれたのです。

アメリカ政府は、安保改定前夜から、貿易赤字を最大の理由にして、日本の貿易自由化を要求してきました。
50年代には、繊維交渉で、日本の衣料や繊維製品がターゲットとなり、自由化によって日本の中小繊維業界は壊滅的な打撃を受けました。

安保条約改定と期を同じくして、農産物の輸入自由化の圧力がかけられました。
日本経済は、貿易・為替自由化までつくり、アメリカの自由化圧力に従いました。
農産物自由化は、麦や大豆、なたねなどから始まったのは、アメリカの余剰農産物の対策のためでした。
1980年代には、オレンジ・牛肉まで及びました。
さらに日本人の主食であるコメの自由化までに至りました。

アメリカ政府は、毎年「外国貿易障壁報告」(米通商代表部(USTR))を発表し、世界各国に自由化圧力をおこなってきました。
日本に対しては、農産物自由化を最大のターゲットにした圧力をかけつづけたのです。
これは、アメリカ政府とアグリビジネスといわれる農産物関連多国籍企業が一体となって市場の開放をもとめたものです。

これらの市場開放に、日本の農民が反対の声をあげました。
ところが、自民党政府は、自国の農民や国民のくらしは何ら振り返らず、自由化圧力に従いました。
「自民党政府は、いったいどこの国の政府か。日本はアメリカの51番目の州になりさがったのか」と怒りを高めました。
--------------------------------

選挙に行こう


同じカテゴリー()の記事
今日の野菜ジュース
今日の野菜ジュース(2011-07-09 10:47)

黒米のダッコク
黒米のダッコク(2010-10-10 22:00)

明日は稲刈りです
明日は稲刈りです(2010-07-24 18:44)

与論のおせち
与論のおせち(2010-01-02 23:12)


Posted by しまあそび at 14:23 │Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。