奄美の長寿遺伝子を武器に沖縄県と協定を
~バイオバンク沖縄を例に~
今年3月、沖縄南西産業活性化センターの
産学官交流サロンに参加する機会がありました。
講師は、琉球大学 熱帯生物圏研究センター 准教授 長嶺 勝先生でした。
その内容がとてもよかったので、紹介してみます。
■遺伝子解析が予防医学に応用
長寿は、環境要因が70%に対し、遺伝子要因が30%ある。
DNA収集し、遺伝体質に基づいた健康管理に役立てることででリスク診断法が開発可能となった。
最も厳しいといわれる遺伝子ガイドラインが琉球大学に敷かれ、遺伝子研究第1号となった。
■医療間ネットワーク(バイオバンク沖縄=BBO)
効果判定を県内の人間ドックと併せることで県内でデータ蓄積できるようになった。
医療機関は那覇地区医師会、那覇市立病院、私立病院と連携し、被験者は4,000人(匿名)にのぼる。
そのデータを被験者にフィードバックすることで予防医学に貢献。
■本土企業参入を許さず地元企業を育成
これまで、在来有用植物を活かした機能性食品の効果判定に莫大な資金がいるため、資金豊富な本土企業の参入に地元企業がたち打ちできなかった。
このBBOのネットワーク化によって県内でのデータ蓄積ができ、コストダウンをはかり県内企業の育成に結び付ける。
■商工労働部新産業振興課が支援
従来、このような研究は通常、県だと保健福祉部が所管となるが、沖縄県は新産業戦略という視点で支援。
高齢化率の高い奄美地域の高齢者がまだ元気なうちに、長寿遺伝子を蓄積する。
米軍基地にいい場所から占拠されている沖縄県や小さな離島からみると、遊休地の多い奄美大島はとてももったいない。
他離島ではすでに始まっているが、奄美在来有用植物の計画生産がますます需要を帯びる見込み。
年次計画でもよいので鹿児島県は沖縄県と県域レベルで協定を結んで、国内アジア地域へ向けた戦略として共に歩むことはできないものでしょうか。
これは、わたしが新生かごしま県へ期待していることの一つです。
七夕の日に、願いを添えて…。
バイオバンク沖縄
http://www.bio-portal.jp/result/h19/haplofarma/
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